2011年6月28日火曜日

BIUTIFUL


日曜日BIUTIFULという映画を観てきたので、忘れないうちに感想をまとめます。
ネタバレします。

誰誰が監督で誰誰が主演男優賞とったとか、そういうのはwikipediaだとか公式ページにあるので、知りたければそちらを見てくださいす。

BIUTIFUL 公式サイト

BIUTIFUL wikipedia

バルセロナを舞台に不法滞在者を使ったしょうもないせこい違法の商売、コピー品の街頭販売だとか、そんなことしながら10歳の娘と多分3歳くらいの息子を育ている男が主人公。
しかも、映画的に効果的だったかはおいといて、死後間もない人間の無念の声を聞きとることができるという霊能力を持っている。
そんな男が自分が末期ガンと診断されてから、自分の死後の二人の子供の為にメイクマネーし、不法滞在の外国人から搾取する仕事をしている罪悪感から自分の魂を救済するため、まあ彼らに優しくしたりするんだけど、何にもうまくいきませんというお話。

といったあらすじも公式サイトだとかにあると思うので不要かと思ったけど、一応自分用のメモとして書いた。
ここから思ったこと。
唐突です。

多分椅子に座っている死者は"整理"がある程度出来て死んだ者、もしくはそんなに未練のない死者。
天井に張り付いてる死者は"整理"が出来ず死んだ者、もしくは未練タラタラの死者。
確か椅子に座っている死者は最初の事故で死んだ子供と、最後の自分だけだったような気がする。
だからこの解釈で正しければ、やりきって主人公は死んだということになる。
個人的には親父の墓を掘り起こして遺体を確認したときに、観客には見せなくていいんだけども親父がどんな風か主人公は見たというシーンが欲しかったな。
でもこの解釈だと天井に張り付いているのか。
死後間もない人しか見えないなら親父は見えないのか。
そっか見えなくてもいいのか。
まあ映画では死後間もない人しか見るシーンがないから死後間もない人しか見えないと解釈しているだけで、本当は違うのかもしれないけど。
監督のインタビュー待ちだな。
少なくともパンフレットのインタビューではそこには一切触れていない。
話は飛んで、霊能力について映画的に効果的かどうかはおいてといてという書き方をしたのは、その能力があることが彼のとる選択に決定的な影響を及ぼしていたとは思えなかったからだ。
別に普段死後間もない人の様子を見る能力がなくても、余命2カ月を宣告されたらまあ残した子供たちのことだとか、それまでの自分の人生のつぐないだとか、それくらいはすると思うんだけどな。
死者が見えなくても親切からとはいえ自分が買い与えた安物のガスヒーターのせいで何十人という人が死んだら、そりゃめちゃめちゃ苦しむよ。
まあ霊能力描写について思ったことはこれくらいかな。

あと「フクロウは死ぬ時毛玉を吐く」という台詞について。
本当かどうかと意味について調べてみたけど、複数のフクロウ飼育のサイトではそういったことは確認できなかった。
毛玉というかペリットというものを日常的に吐くそうで、これはネズミとか丸のみするんだけどフクロウは消化器官がそんなに強くないので消化しきれなかったもの、毛とか骨を固めて吐きだすそう。
これが死ぬ時に必ず吐くかというとそういった性質のものであれば、そうでもない気がする。
映画では主人公の息子が何かの映画でそんな台詞があったと言っていたので、そんな映画があるのかな。
ちなみにこのBIUTIFULは黒澤明監督の「生きる」という映画からインスパイアーされて作られた映画だそうだが、もしかしたら「生きる」の中にそういった台詞があるのかもしれない。
ただ調べてみると「生きる」はトルストイの「イワン・イリイチの死」という作品を下敷きにしているそうで、もしかしたらそっちの台詞なのかもしれない。
この台詞の解釈の為だけに「生きる」を観て「イワン・イリイチの死」を読むかと言われれば、正直今のところはそんなパワーはないのでこれも評論家先生、解説を待つことにする。
でも「生きる」は面白そうだから時間があれば観てみたい。
後は「ポニーテールは天敵のキツネと間違えておびえる」という台詞についても調べてみたけど、逆にフクロウがキツネを狩る画像が出てきたので関係ないけどのっけておきます。


この台詞の為にあんなにダサい髪形にしたとしたら、俺は主演のハビエル・バルデムに心から同情する。
でもこの撮影直後くらいかな、ペネロペ・クルスと結婚したのは。
だったら別にいいか。
奥さんはパイレーツ・オブ・カリビアンで女海賊、旦那はしょうもない犯罪者。
だったらどうしたってんだよコノヤロウ!
旦那なめんじゃねえ!

ここから感想。
主演のハビエル・バルデムの演技のどこが素晴らしいかというと、これtwitterでも書いたんだけど、搾取する側でしっかり搾取しているのに搾取されてる側に良いツラするって、それだけ切り取ると凄く欺瞞に溢れた行為に見えるし実際にそうなんだけど、勘違いでも何でもなく、死を前に今やれることをやっている男の顔をしっかり出し切ったのが素晴らしいんだよ。
これ失敗したら、主人公に何の関心も持てなかった。

あと前立腺がんで不能になっていたからかどうかはわかんないけど、クラブで酒飲んでコカインやっても女とヤラないで家に帰るシーンにはグッときた。
クラブのシーンは「レスラー」を観た人だったら、「あ!あのシーンだ!」と思ったはずに違いない。
「レスラー」のミッキー・ロークは次の日ようやく仲直りしたばかりの離れて暮らしている娘と食事に行く約束があるのに、クラブで酒飲んでドラッグやって便所で女とヤリまくって次の日起きられず娘との食事の約束をすっぽかしちゃうんだ。
最近では「ブラック・スワン」でも酒・クラブ・セックスの描写はあったし、まあこっちの場合はレズ描写だけど、あれはあれでナタリー・ポートマンのヨガリ方が良かった、とかそんな話はどうでもいいんだ!
とにかくミッキー・ロークだったらトイレの個室にも入らず洗面台の辺りに女手をつかせてバックでガンガンヤるってのに、ハビエル・バルデムはコカインはやっても女とはヤらないで家にちゃんと帰るんだよ!
ミッキー・ロークとはパパとしてのレベルが違う!
流石だぜバルデム!
でも「レスラー」のトイレ立ちバックのシーン、あれはあれでいい!

完全に本筋の感想とは蛇足しましたね。
まあ何度か書いているけど、この映画は最後にやれることをやろうとする男のお話。
誰もが運命の奴隷でその中で自分のすべきことをしただろう父親の息子である主人公の子供たち、周囲の人たちへのあがき、結果奮い立たされることも起きた出来事に大きく揺り動かされたわけではないんだけど、何だか妙に思いにふける時間を増やされました。
これもtwitterで書いたし、読んでて思ったかもしれないけど、わかりやすいズバっとした感想が出せる映画ではないのでカップルでの鑑賞は全くオススメ出来ません。

グダグダ長くなりそうなので、とりあえずブログの映画感想記事一発目はこんな感じで。

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