2011年10月29日土曜日

天国からのエール


先週の土曜日に天国からのエールという映画を観てきたのでその感想。
どんな映画かは公式HPやwikipediaを参照してね。

天国からのエール 公式HP
天国からのエール wikipedia

タイトルも寒いし、どうみたってお涙ちょうだい系のうっすいペラペラのどうしようもない映画だろどうせ、と思って観に行きました。
ところが予想に反して、「アレ、いい映画じゃん」と思いました。
途中まで。
一番盛り上げなくてはいけないはずのところから、ドンガラガッシャーンの超ぐずぐずのシーンの連続ですごくがっかりさせられました。

どういうお話かというと、沖縄で弁当屋をやっている阿部寛がバンドの練習場所もなく腐っている桜庭ななみを見て、大人がなんとかしてやらにゃあならんと、自宅の使っていない土地に自腹でスタジオ作って、だらだらしている高校生に時には説教しつついい兄貴分として君臨していたものの束の間、がんで死にました、というお話です。
実話ベースのお話だそうだけど、舞台が沖縄ってのがまたやっかいなんだよな。
本土の人間が考える「沖縄感」を映像にすると、本当に気持ち悪いものしか出来ない気がするんだよな。
まあ、俺沖縄行ったことないからもしかしたら本当にあんな感じなのかもしれないけど。
なんというか沖縄の人はあったかいさー、みたいな観光客マインドをベースにされるともうなんかそれだけでゲンナリする。
だからゲンナリさせられるだろうな、と思ってい観ていたら桜庭ななみが、
「簡単に夢を諦めるなだと?偉そうに説教するな!こんな何もない街にしたのはお前ら大人だろ?」
と吠えます。
この映画で描かれる沖縄は、ホンワカのんびりした人情味あふれる田舎ではなくて、本当に疲弊しきった閉塞感あふれる田舎なのだ。
それを受けて阿部寛は、
「俺の家は貧乏だったが、楽しかった。昔はお金なんかなくてもみんなで助け合ってやってきたんだ。今の子供たちはそれを知らない。このままでは本当に何もない街になってしまう」
と思い立ちスタジオを建築することを決意するわけだ。
このくだりは本当に良かった。
ただのおせっかい焼きがする暴走ではなくて、経済的に先細りの一途をたどっていく中、このまま弱っていくコミュニティを放置したら自分の子供の未来もないという理由で思い立つわけです。
ああ、単純なお涙ちょうだいものじゃないんだ、結構いい映画だぞとこのあたりから思い始めました。

また桜庭ななみのバンド、最初はくっそショボショボの音なんだけど、家庭環境に問題があったギタリストが加入してから、本当に結構聴ける音になるんだよね。
去年BECKとかBANDAGEとかバンドをテーマにした邦画が結構あって、どれも本当にクソ中のクソとしか言いようのない音楽的にも超ダサイものばかりだったんだけど、そのどれよりもこの天国からのエールのバンド表現は良かった、途中まで!
クライマックスのしまかじフェスティバルとかなんとかいうフェスに桜庭ななみのバンドが出るんだけど、それがもう何だか溜息しか出ない、そんなフェスになっています。
前のバンドが終わって、さあ桜庭ななみのバンドの出番だ、となった場合、どう考えても転換の時間が必要なのに司会者が「次は桜庭ななみバンドです」とすぐさま呼び込んで、すぐに始まるのです。
そんなわけねえだろ!
大体なんで4ピースのバンド限定みたいな感じなんだ?
普通にギターやらベースにシールドぶっさしてそのまま始まります。
厳密には始まりません。
桜庭ななみがしばし緊張の為か呆然としています。
全然演奏が始まらないのでどう考えてもブーイングものなのですが、次の瞬間耳を目を疑う展開になります。
「がんばれー!がんばれー!」
演奏を始めない桜庭ななみに観客から頑張れというエールが飛びます。
そんなフェスないでしょ。
天国からのエールって、えっ?ええぇ?ってなります。
そのエールに答えて桜庭ななみは演奏を始めます。
その始めた曲がまたビックリ!
死んでしまった阿部寛捧げるカバーソングなのです。
1曲目に何の説明もなく、天国の阿部寛に向かって歌い始めるので、どう考えてもここも観客からはブーイングが起こって然るべき!
売れたいなら観客を無視するなよ!
一体どういうことなんでしょう。
理解できません。

あと話は戻りますが、台風の中スタジオの雨漏りを心配して病院を抜け出した阿部寛、物語上彼はそこで死ぬべきなのに、病院を抜け出して桜庭ななみたちと朝まで作業してそれから倒れて病院に行ってしばらくして死にます。
どうせ死ぬなら台風と戦って死んでほしかったです。
まあ実話ベースのお話なので事実に合わせたのかもしれませんが、だったら病院での臨終シーンにもっと時間を割くべきです。
今にもさあ死ぬぞ死ぬぞと台風で煽って死ななかったので、正直ずっこけです。
ギャグだったのでしょうか。
まあいいです。

最後にもうひとつだけ文句を言わせてください。
ラストのシーンは学生の溢れる阿部寛のスタジオでそのフェスがきっかけで東京でデビューした桜庭ななみバンドの話を阿部寛の妻と母がしているというシーンなのですが、そこで壁に貼られている桜庭ななみバンドのポスターがわけわからないことになっています。
まず、デビューライブってなんですか?
デビューシングルとかデビューアルバムならわかりますが、あなた方とっくにライブやってるでしょ!
なにがデビューライブなんですか?
意味がわかりません。
百歩譲って会社に魂を売り渡したセルアウト集団になり下がり、メジャーデビューライブという売られた方を容認した、そういう設定だということにしても更におかしな点があります。
なんとこのデビューライブ、全席指定で5,000円もするんです。
たけえよ!
デビューしたての沖縄から来たよくわからないバンドのワンマンライブに5,000円って客入るわけねーだろ!
どういう売り方したいんですか?
もうデビュー前にめちゃくちゃ話題になっている、そういう特異な環境があるとしか思えません。
東京って、本当に怖い場所だわ。
そう思いました。

途中までは本当に良くなりそうなのに、後半30分が本当に酷過ぎてもう笑っちゃうよ。
ははは。
まあね、あんまり文句も言いたくないんだけど、泣かせ方へたくそ過ぎないかい?
あと、フェスのシーンをエキストラとかたくさん呼んで再現するのは難しいのはわかるけど、転換すっとばすことはないでしょ。
わざわざバンドの楽屋まで用意してもらっているのに、なんで気合い入れを舞台上でするんですか?
もうやめて!

とびとび文章になってしまいましたが、まあつまらない映画ですよこれ。
多分もう劇場じゃやっていないだろうしDVDが出ても全く観る必要はありません。
ただ沖縄の高校生は結構かわいかったので、無理にそこでムラムラすることは出来るかもしれません。
もったいねえなあ。

0 件のコメント:

コメントを投稿