2011年11月28日月曜日

サウダーヂ


もういつの話か覚えていないけど、渋谷のユーロスペースでサウダーヂという映画を観たのでその感想。
思い出は早めに文章にした方がいいのは知っています。
どんな感じの映画かは公式サイトやwikipediaを参照してください。
と思ったら初のwikipediaなし。
誰か記事を書いてあげて下さい!

サウダーヂ 公式サイト

という感じでレビューや評論は映画雑誌に結構たくさん掲載されているけどwikipediaもないので簡単にどんな映画か触れておきます。

舞台は甲府。
疲弊しきった地方。
みんなここではないどこかへ逃げたい。
タイに逃げたい土方のあんちゃん。
タイに帰りたくないタイ人のねえちゃん。
クスリに逃げる東京かぶれのねえちゃん。
小金持ちのパーティに逃げる土方の奥さん。
故郷ブラジルに帰りたい日系ブラジル人三世。
疲弊した甲府から去っていくブラジル人。
外国人がデカいツラでいる地元。
生まれ育った団地も今じゃブラジル人ばっか。
東京から戻ってきた女がオーガナイズしたパーティはブラジル人ばっかで俺たちのラップなんて全く聴いちゃいねえ。
パチンコ依存症の親。
引きこもりの弟。
アツくならないメンバー。
俺が好きだった女にクスリさばいていたのはブラジル人。
派遣の仕事も外国人に取られて全然まわってきやしない。
どうしてこうなった?
全部あいつらのせいだ。
赤字でもこなさなきゃならない現場。
ない仕事。
どっかこの国おかしいよ。
大麻は自由だ。
大事なことをわかっちゃってるんだ。
家じゃ背伸びして小金持ちのまねごとをする女房。
大事なのは金じゃねえんだ。
タイに行けば新しい人生があるんだ。
そりゃ土方はキツいけどもらうもんはもらってたんだ。
それが今じゃ。
俺と一緒にタイに行こう。
どっかこの国おかしいよ。
アイウォントマニー。
タイから来た女はそう言った。
日本に来れば稼げるはずだった。
ところがない仕事。
一緒にブラジルから来た仲間はもうみんな帰ってしまった。
故郷に帰りたい。
故郷には自由と希望があるんだ。
日本には仕事も自由もない。
仕事がないなら盗むしかない。
そうやっていくしかない。
クスリのディールだってする。
俺の地元をこんな風に変えちまったのはお前ら外国人だ。
俺がお前らを退治してやる。

とまあこんな感じの映画ですよと。
地方の閉塞感がハンパじゃなく観ていて非常にグッタリする種類の映画です。
群像劇として様々な人間を掘り下げていくんだけど、基本的にどの登場人物もリアルに浅いのが印象的だった。
日系ブラジル人三世の故郷への憧れも、土方のあんちゃんのタイへの憧れも、その女房の小金持ちへの憧れも、ブライダルサロン経営者の本物への憧れも、東京でブラックカルチャーかぶれになった女のよくわからない憧れも、ラッパーの愛国心も、全部リアルに薄っぺらく短絡的だ。
観ていて本当に辛い。
でもそんな薄っぺらい憧れにすがりたくなるくらい舞台の甲府は疲弊した地として描かれている。
実際甲府駅周辺に遊びに行ったこともあるし、仕事で関東の"地方"にはしょっちゅう行くので自分にとってもその疲弊感はリアルなものとして感じられる。
何もないんじゃないんだよそういうところって。
何かがあった場所、何かを作ろうとした場所なんだよ。
そうやって出来た土地の隙間に外国人が流れてくる。
これは全国的に"あるある"だろう。
俺んちの周りだってジジイババアがくたばった後は建物をつぶして売れ残る新築一戸建てを建てるか、外国人が入ってくるかのどちらかだ。
この映画と同じことは今だって起きている。
グローバリゼーションによって力の弱まった土地に複数のコミュニティが存在することで起きる不具合について向き合わないといけない時代なんだね。
そんな感じの辛い辛い映画でした。

各媒体で評判になっているので小規模ながらもまだまだ劇場で観られるようだけど、この映画のDVDがTSUTAYAに並んでも正直どういう人が借りるのか想像つかないな。
娯楽をTSUTAYAに求めない人が借りるのか。
そんな人はいるのかな。
でもあんまりマヌケな映画ばかり観ていると部屋で一生懸命チンチンをいじるために生まれたと勘違いしがちなのでたまにはこういう映画を観てみるのもいいんじゃないでしょうか。
熱量のあるいい映画でした!

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