2012年2月28日火曜日

若手映画作家育成プロジェクト2011


昨日UNITED CINEMAS豊洲で若手映画作家育成プロジェクトの最終課題5作品を観てきたのでその感想。
いつもとちょっと違う感じだ。
この若手映画作家育成プロジェクトはなんでも文化庁の日本映画振興事業の一環でVIPO(映像産業振興機構)ってとこが主催でやっている若手映画作家の発掘、育成が目的のプロジェクトだそうな。
まあここでそれについて詳しく書く必要もないので、過去どんなことやってたかは下記のサイトをよくチェックしてくれ。

VIPO(映像産業振興機構) 若手映画作家育成プロジェクト

んじゃ観た5本の感想を書いていくよー。
ちなみに一本だいたい30分で5本連続ノンストップ上映でした。


1.「UTAGE」
監督:やました つぼみ

飲み屋の雇われ店長のハルは元パティシエだが、なんでか挫折していて、常連客が成功して有名になった当時の同僚のとこに就職が決まったらそのお祝いの場でブチ切れて、それを見て引いた常連客が全員店から離れちゃって、自分は酒びたりでパチンコやって稼いでたりするんだけど、何故だか同僚の幻影に励まされて立ち直ったよ、ってなお話です。
才能もあって努力もしていた同僚を見て挫折したババアがわけわかんないこと言うのは別にいいんだけど、雇われ店長だってのに店をまともに開けないし結構な期間全く客も来ないってのにクビにならないのはなんなんでしょうね。
というかお前がオーナーだったのかっていう登場人物にも驚かされたけどね。
んでセルフ誕生日パーティーを店でやってたら何故だかお客が戻ってくる(きそうな)感じで終わるから、なんじゃらホイって感は否めないです。
まあ自分の弱さを認め克服することで、また上手く回り出すってのはわかるんだけど、ちょっと強引過ぎるかな。
偉そうに言うならばオーナーと肉体関係があるのを匂わせた方が良かったんじゃないかと思う。
グダグダなんだけど、前向きになったらなんとかなったって感じをもう少しリアルに出してくれるともっと面白くなると思う。

2.「ここにいる…」
監督:七字 幸久

20代前半かな、双子の姉妹が多摩モノレール沿線、多分立川らへんの実家に住んでいて、ある日妹の方が行方不明になるんだけど、その双子の特殊能力「片割れが何を見ているのかわかるンダー」のおかげで、事故で死んでたことがわかりましたというお話です。
ちょっと内容の説明雑過ぎかな。
いくつか決定的にひっかかった点があります。
まず、この双子の姉妹は同じ会社で二人とも受付嬢をやっています。
自分の父親の会社とかでもない限りそんなこと有り得ないよね?
あと妹は結局工事現場で何故か猫を買っていて、その餌付で工事現場に寄った際に事故死をするんだけど、別に一軒家だから猫飼えるしそもそも何で工事現場で育てるの?
廃ビルとかだったらわかるけど、工事現場で黙って猫育てるってのはいくらなんでも無理があるよ。
だから正直あんまり乗れなかった。
加えて残念だったのは、妹の幻影が見えたりするシーンがやたら出てきて、それをホラー演出のように見せようとしていて、逆にいっそのことホラーの方がいいのにと思ってたのもあるんだけど、生き残った姉が自分で作り出した幻で気が参っちゃってどんどん狂っていく方向の方が絶対に怖くなるのに、優しい幽霊的な感じで出てきちゃうから、がっかりだったよ。
もういっそのこと狂っちゃえば面白かったのにな。
まあどういう映画かって前情報がないのもそうだけど、若手映画監督ってだけでキレッキレのエグったものがあるのかなとあらぬ期待をしていたのもよくないんだけどね。
どうせならもっと怖くすれば良かったのにというのが感想です。

3.「パーマネント ランド」
監督:中江 和仁

山奥に村があって、過疎化も酷いし山崩れで道も崩れちゃうような場所だからそこに住んでいる老いた母親を市役所が用意してくれた町の方の家に移らせようとやってきた息子のお話です。
ワシはここで死ぬと言っているババア、その気持ちを無碍には出来ないけど、でもこんな山奥に置いておくわけにもいかない。
非常に面倒くさい問題を扱ったという点において非常にいいと思います。
お話もまとまっていたし、最後の台所破壊強要シーンなんか本当に見ていて辛かった。
ただババアの髪型がイカツ過ぎて、強そうなんだよね。
一回息子に引っ張られて倒れるシーンがあって、そこはてめえババアに何しやがると思うんだけど、髪型が強すぎるんだよな。
全然弱った感じがしなかったよ。
でも面倒臭いテーマを上手くまとめて良かったと思いました。

4.「嘘々実実」
監督:藤澤 浩和

大手商社を受けている就職活動中の大学生のお話。
適当に竹馬で日本一周したことがあると嘘をついたのがきっかけで受かるためにそのついた嘘に信憑性を持たせようといろいろ調べたりなんやりしていくうちに、やりたいことが見えてきたという感じです。
これはプロットが凄く面白い。
面接で学生時代に頑張ったことと聞かれることに対して、この物語の主人公はまさに「就職活動」を頑張るんだ。
モラトリアム期間をなにもせずにダラダラ過ごしてきた主人公は学生時代に頑張ったことや成し遂げたことなんかない。
でも出て行ってしまった彼女を取り戻すために、何が何でも採用試験を受けた大手商社に就職すると決め、そこでついた嘘を完璧な嘘にするために超頑張るんだ。
竹馬で4か月で日本一周を達成し、ユーラシア大陸を横断するために海外に渡ったことがあるという嘘を大手商社の社長にバレないように完璧に仕上げるんだ。
その一見間違った努力、勿論笑えるんだけど、本当の本気で取り組んでいる姿になんだか感動を覚えるんだ。
最初は自転車で日本一周したことのある人にマックをおごって話を聞かせてもらうくらいの感じなんだけど、海外に行ったことないのにユーラシア大陸横断に挑戦したという嘘をついた辺りから、インド料理屋で働き始めたり、「ガンジスガンジス」と唱えながらまだ寒い時期なのにその辺にある川に入ったり、まあ極端な行動に出始めるんだ。
これらのシーンには大いに笑わせてもらったし、実際にそれはギャグとしての機能のメインなんだけど、こいつマジで半端じゃない覚悟なんだって思わせてくれるんだ。
まあ当然最後は受かったのに本当にやりたいことに目覚めちゃったから入らないってパターンなんだけど、本当にこれって日本における就職活動に対する嫌味になっていて、やりたいことがあるんだったら就職なんかしないよ、やりたいことなんかわからないから就職するんだ、なのになんで頑張ったことややりたいことを聞くの?っていうメッセージになっていると思う。
新卒一括採用だからそうなるのは避けられないんだけど、能力や情熱のある人ほど就職に不向きになるって仕組みは誰も幸福にならないと思うんだけどね。
面白かったし、良かったです。

5.「あかり」
監督:谷本 佳織

結婚式の準備の為に帰省した主人公とその妹のお話。
主人公の妹は知的障害者だ。
また面倒くさいテーマ扱ってきたよ。
お話としては帰省したらこんなことがありましたって感じのお話なんだけど、要所要所に身体障害者の身内から言われたらハッとするだろうなって場面が散りばめられている。
例えば何度も大人になったら結婚できるんでしょ?自分はいつになったら大人になれるの?って聞いてくるんだけど、あるシーンでは自分はずっと大人になれないんでしょって言ったり、まあ実際に言われたらなんというかって感じだ。
ただこの映画に出てくる主人公の両親も主人公もいい人なので、結局いい家族って感じでまとまって見えてしまうのは多分監督の本意ではないと思う。
というのも上映が始まる前に舞台挨拶でこの映画の監督が来ていたんだけど、もともと自分の実体験をベースとした長編映画用の脚本を30分用にまとめたって言ってたので、多分今作ではあまり描くことの出来なかったもっと嫌な面てのがあると思うからだ。
そこのヤダ味がもう少し出ていればもっと良かったのにと思いました。

はあ、なげえし疲れたよ。
頑張って書いたので映画のタダ券ちょうだい。
それよりも連続での上映だったんだけど、1本終わるたびに多分その監督の身内だと思うんだけど、帰って行くからみんな映画好きじゃないんだなって思った。
映画作る人の友達や家族だからって映画好きとは限らないか。
まあそりゃそうだが、少し失礼な気がしたよ。
最後まで観ようよ。
そう思ったよ。

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